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更新日:2025年3月11日
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(市長)
それでは、定例会見を始めます。
本日は、発表事項が2件あります。
初めに、第4回市議会定例会に提出する議案についてです。
本日の午前中に議会運営委員会が開かれ、先ほどお配りしましたが、今回の定例会の日程が決まりましたので、ご承知おきください。
私から定例会に提案する議案の件数は、全体で25件です。
内訳は、専決処分が1件、予算案が4件、条例案が6件、一般議案が14件です。
初めに、条例案件などの中から主なものについてご説明します。
お手元の資料1をご覧ください。2ページからが条例案で、初めに千葉市職員の給与に関する条例等の一部改正です。毎年この時期に人事委員会の勧告に基づき、一般職の職員の給与改定を行うもので、特別職職員の期末手当の引き上げも含んだ改正となります。一般職職員の内容について、行政職は平均で2.9%の引き上げで、昨年の平均1%の引き上げに比べて引き上げ幅が大きくなっています。
今回は、人事委員会の勧告が初任給と若年層に重きを置いて引き上げていて、例えば大卒の初任給の月額がプラス2万3,800円、高卒の初任給の月額がプラス2万1,400円となり、12%から13%の引き上げ幅となっています。そのほか、医師・歯科医師の初任給調整手当の引き上げと期末・勤勉手当の支給月数の引き上げが含まれています。期末勤勉手当については、4.5月から4.6月に0.1月引き上げる内容となっています。私も含めた特別職職員は、月額は据置きとし、期末手当の年間支給月数を一般職の職員と同様に4.5月から4.6月に0.1月引き上げるものです。
また、会計年度任用職員の給料表についても一般職職員に準じて改定し、期末勤勉手当の年間支給月数についても同様に4.5月から4.6月に0.1月引き上げるものです。
続きまして、3ページをご覧ください。
こちらは千葉市職員の特殊勤務手当支給条例の一部を改正するものです。
昨今、全国的に災害が頻発し、この数年間で広域応援の仕組みが整ってきていて、千葉市の職員も全国の被災地に派遣する例が増えてきています。今年も能登半島地震、その後の豪雨災害の際には、能登半島の珠洲市を中心に派遣し、地震に関しては延べ400人を超える職員を派遣しました。市外の被災地に派遣される職員の負担を踏まえ、新たに災害応急対策のための業務として日額1,080円を支給することにしました。
また、千葉市の消防局が消防組織法に規定する緊急消防援助隊として出動することも増え、こちらの業務に従事する場合も、日額1,080円を支給することにしています。この場合、法に基づく警戒区域などで業務をする場合には、倍額の日額2,160円としています。
(2)になりますが、災害時に市内で外勤作業に従事する職員については、日額250円から700円に引き上げた上で、これまで市内外業務を特に限定していませんでしたが、市外の業務については先ほど申し上げた日額1,080円を支給することにしていますので、市内の業務に限定し、その額を一定程度引き上げるものです。
3以降は令和6年度の固定資産税評価等の評価替えに伴うもので、3が道路占用料、4ページの4が河川区域内の土地占有料、5が水路敷地占有料、6が都市公園の占有料をそれぞれ改定するものです。固定資産税評価の評価替えの時期にあわせて行うもので、それぞれの内容については、記載のとおりです。
5ページからは一般議案です。
一つ目が、千葉県市町村総合事務組合という市町村に共通する事務をまとめて処理している組織があり、いすみ市と御宿町にまたがる学区の布施小学校を廃止することになり、この事務を総合事務組合が行っていたことから、所要の規定を改正するための協議をするものです。内容的には千葉市に影響するものではありません。
2は当せん金付証票の発売額、いわゆる宝くじの発売限度額を定めるもので、これは例年同様100億円以内としています。
3、4、5は工事請負契約に関わるものです。3は千城台西保育所の新築工事で、こちらは指名競争入札を行い、契約金額は4億9,060万円、請負者は株式会社カラカマ工務店です。市内の事業者になります。
6ページです。市立稲毛国際中等教育学校の大規模改造工事その2の工事請負契約の承認を求めるものです。
稲毛国際中等教育学校の校舎については、老朽化していることから、現在、大規模改造を行っています。その1とその2に分けて行っていますが、その1は普通教室や管理棟の工事で、今回のその2は図書館や工芸棟の改修分です。契約金額は6億5,780万円で、請負者は杉田・五稜建設共同企業体です。いずれも市内事業者です。
5は千葉市若葉保健福祉センターの空調設備改修工事です。契約金額は3億3,770万円で、請負者は福井・三成建設共同企業体です。いずれも市内事業者です。
7ページの6から12までは、指定期間の満了による指定管理者の指定更新に係る議案です。
6は千葉市ハーモニープラザです。非公募で運営をしていて、引き続き千葉市社会福祉協議会が5年間指定管理を行うものです。
7は千葉市斎場です。こちらは公募で行っていて、指定期間は5年間です。今回複数の応募があり、管理者が富士建設工業株式会社・千葉グローブシップ株式会社共同体に変更となります。
8ページです。8は千葉市美術館です。こちらは千葉市教育振興財団が長く運営していて、今回も非公募で5年間の指定管理となります。
9は中田都市農業交流センターです。中田やつ耕園と呼んでいるもので、地元の方が中心となり、指定管理をお願いしています。今回も非公募で5年間運営をお願いしたいと思っています。
9ページです。10は少年自然の家です。公募で5年間指定管理を指定することとして、指定管理者に変更はなく、千葉YMCA・伊藤忠UCグループに引き続き指定管理を5年間お願いすることになります。
11は蘇我スポーツ公園です。公募で5年間の期間で、指定管理者に変更はなく、SSP UNITEDに令和12年3月31日まで指定管理をお願いするものです。
12は昭和の森です。株式会社日比谷アメニス東関東支店で、公募で5年間です。こちらは指定管理者が変更となります。
13、14は議決事件の一部変更です。インフレスライドなどを理由に契約金額の変更を行うものです。いずれも稲毛国際中等教育学校の大規模改造工事に伴うもので、13が工事本体の請負契約、14が電気設備工事に係る契約です。それぞれ規定の算式などにより、インフレ状況を勘案して、契約金額の増額をするものです。一般議案は以上です。
引き続き補正予算案件の中から主なものについてご説明します。
資料2-1をご覧ください。資料2-1は専決処分になります。この専決処分の補正予算は、10月9日に衆議院が解散したことに伴い、同月27日に行われた衆議院議員選挙の経費を10月9日に専決処分したものです。補正予算の規模は3億6,300万円で、内容については資料に記載のとおりです。
続きまして、資料2-2です。12月の補正予算案になります。今回の補正予算は、公園緑地における安全確保のために、ナラ枯れ被害木対策に係る経費を計上しました。また、体育館の冷暖房設備整備のための学校施設の環境整備や公共工事を平準化していくための債務負担行為などを追加しています。
補正予算の規模は3,600万円です。補正予算後の規模は9,646億8,200万円で、例年と比べて規模が大きく減少していますが、理由が幾つかあります。
近年この時期に、国の補助金の追加内示があり、特に学校施設の環境整備に関する増額補正を実施していますが、今年はまだ国の追加内示がありませんので、12月補正には計上していません。今後内示があったときに、改めて補正予算を計上する予定です。
また、本日閣議決定されると思いますが、例年この時期に経済対策などの国の補正予算を踏まえた市としての対策を計上していましたが、まだ国の予算ができていませんので、今回は時期的に計上できず、今後、速やかに計上していく予定としています。
2ページからは補正予算の内容です。
2ページは、学校施設の環境整備として、債務負担行為を計上しています。これは次年度以降に工事をするものについて、円滑に実施設計などに着手する準備を行うためのものです。
まず、体育館の冷暖房設備整備は、債務負担行為として1億2,644万円計上しています。令和8年度に工事を行うために、令和7年度に実施設計を行います。それを年度当初から円滑に行うため、また入札不調の発生に備え、年度内に改めて再入札ができるよう時期的な期間を取るために、今年度中に準備行為を始めるための予算です。中学校25校、高校1校、特別支援学校3校について、実施設計に円滑に着手していくための債務負担行為を計上しています。校舎の大規模改造、外部改修、障害のある方が円滑に学校生活を送るために不可欠となるエレベーター、また、老朽化に伴うさまざまな改修についても同様に債務負担行為を設定しています。
3ページは公共工事の平準化です。予算案だけで計上すると、例えば来年の4月から準備を始め、年度の最後に工事を行うことになりますが、年度当初から工事を発注できるよう、また、一部発注に至るまでの準備が可能となるように、今年度中に債務負担行為を設定し、新年度に速やかに発注に移れるようにするための債務負担行為です。こちらは、2億1,400万円となります。
今回債務負担行為以外の補正予算案としては唯一、ナラ枯れ被害木対策として3,600万円を計上しています。公園緑地の利用者や隣接地の安全を確保するために、枯れている樹木の伐採などを実施するもので、伐採等の本数は270本を予定しています。
第4回千葉市議会定例会に私から提出する議案の説明を終わります。
次に、発表事項の2点目です。
千葉大学の医学部生による機能別団員チームの設立です。消防団の中の機能別団員チームを千葉大の医学生が設立するというものです。
千葉市と国立大学法人千葉大学は包括連携協定を結んでいることから、それに基づく取り組みとして、千葉大学の医学部生をメンバーとした機能別団員チームを新たに設立します。
千葉市では、令和5年4月1日に機能別団員制度を導入し、大規模災害発生時のみ活動する「大規模災害団員」と広報活動のみを行う「広報団員」を設け、大規模災害への即応体制の強化と平時の防災意識の普及啓発を図っています。
今回、千葉市の消防団員を確保し、地域防災力の充実を図るために、先ほど申し上げた包括連携協定に基づき、医療分野での専門知識・技術を持っている千葉大学の医学部生を「大規模災害団員」とした機能別団員チームを設立することになりました。大きな地震などの大規模災害の発生時に特化して、応急救護活動等を行っていただきます。
チーム名はChiba University Medical Support Teamの頭文字を取り、「千葉市消防団 CUMST」とし、メンバーは医学部の救急サークルC-TATに所属されている部員の方、また、チームリーダーは災害治療学研究所の教員で構成され、大規模災害時の災害現場での応急救護活動や避難所などでの健康管理を担っていただきます。
医学部生がその知識・技術を生かし、機能別団員として活動する本取り組みは、千葉県内では初めてになります。
この発足式を、来月の下旬、12月26日木曜日の13時30分から、市役所市民ヴォイドにて行いますので、ぜひ取材いただければと思います。
最後に、私から1点お知らせさせていただきます。
既に発表していますが、千葉都心・千葉みなとエリアでのイルミネーションのイベントの開催についてです。
前回の定例会見では、一足早く11月8日から始まった幕張新都心でのイルミネーションイベントについてお知らせしました。
明日11月23日からは、千葉都心・千葉みなとエリアで、毎年恒例となっている冬の風物詩のイルミネーションイベントがいよいよ始まります。
まず初めに、千葉駅前から中央公園プロムナードを含め中央公園周辺までを鮮やかに彩る千葉都心イルミネーション「ルミラージュちば2024/2025」です。
これは毎年恒例となるもので、今年は樹木への装飾と動きのあるスノーフォールライトが設置されますので、ぜひご覧いただきたいと思います。
また、中央公園では、イルミネーションの開始に合わせて、期間限定でスケートリンクなども設置される夜と光のアートフェス「第4回 YORU MACHI」が始まります。
初日の11月23日には、スペシャルアンバサダーの鈴木明子さんによるスケートショーなどのオープニングセレモニーが行われます。さまざまなジャンルの音楽隊やパフォーマンスグループなどが参加する音楽パレードが2年ぶりに行われますので、ぜひご来場いただければと思います。
次に、千葉ポートタワークリスマスファンタジーです。
千葉ポートタワーでは日本夜景遺産にも認定されているポートタワーの壁面に高さ約100メートルのクリスマスツリーのイルミネーションを施します。
点灯の期間中には、千葉ポートタワーと工場夜景が一緒に楽しめるナイトクルーズも実施される日がありますので、この機会に特別な千葉市のベイエリアの冬の夜景を海上からもお楽しみいただけたらと思います。
最後になりますが、ちばみなとシーサイドイルミネーションです。
これは千葉みなとのさんばしひろばを会場にして、イルカのオブジェなどを使ったフォトスポットや海をバックに青色のイルミネーションが非常によい雰囲気を演出します。今年は、高さ8メートルのクリスマスツリーを設置しますので、千葉みなとエリアの新しい冬の魅力を体験していただければと思います。
私からは以上です。
(記者)
議会の日程が決まったということで、各会派による代表質問が12月4日、5日と設定されました。質問通告では、市政運営の基本姿勢について各会派が質問されるということです。
市長2期目への進退の判断については、最終段階にあるとおっしゃられていましたが、このタイミングを捉えて出馬表明されるのかどうか、今のご心境をお聞かせください。
(市長)
次期市長選挙の対応については、まだ熟慮を重ねている段階で、自分としては、近々結論を出して、市民の皆さん、また支援していただいている方々、市議会の皆様方にご説明をしていきたいと思っています。
(記者)
イルミネーションのことで伺います。オープニングセレモニーでアンバサダーを務めている鈴木明子さんは、どういったゆかりで千葉のほうに来られたのですか。
(市長)
主催は商工会議所ですが、毎年、著名なスケーターの方をご招待して、YORU MACHIの魅力をお伝えしていて、今年は鈴木明子さんに来ていただくことになりました。
(記者)
昨日の県庁の会見で水道料金が2026年から2割上がるということで、千葉市民にもかなり大きな影響を与えると思っています。この点について、市長の受け止めをお願いします。
(市長)
千葉市は、県水道の給水エリアと市水道の給水エリアに分かれていて、千葉市としても若葉区、緑区を中心に水道供給を実施する主体でもあります。水道事業、また下水道事業においても、最近の物価、資材価格の高騰や電気代を中心とする光熱水費の高騰により、水道事業、下水道事業も含めて事業を行っていく際に、経費が非常に上がってきているのは事実です。そうしたことも踏まえて、数年間の財政計画を検討する中で、一定の上げ幅を伴う料金改定を行わざるを得ないということだと思います。
まだ、物価高騰の中で市民生活が厳しい面もありますので、公共料金の値上げについては、市民生活に影響があるため、十分に上げ幅には配慮をいただき、また市民への丁寧な説明をしていただきたいと思います。
一方で、千葉市営水道については、県水道から水を購入して給水しているという面もありますので、我々が県から購入している水道料金も上がる可能性もあります。詳細についてはこれから説明があると思いますが、その際にはどういった背景で上げ幅が設定されるのか、十分説明を受けたいと思っていて、県水から購入している水の料金が上がれば、市水道が給水している市民の皆さんへの水道料金にも影響する可能性がかなりありますので、県水道が水道料金を値上げする背景についてしっかりと説明を受けて、市水道の利用者の皆さんに、我々としても説明をしていかなければいけないと考えています。
(記者)
県が県議会で表明された宿泊税の導入について、26日開会の定例会でも市議団が慎重な調整を求める意見書も出された中で、千葉市でも検討を始める会議が始まりました。県の宿泊税、そして市の宿泊税の受け止めをそれぞれお願いします。
(市長)
宿泊税に関しては、以前から千葉市も観光需要に対して、財政的にどう対応していくのか、通常の税収入だけでは、十分な観光施策が実施していけないという課題意識から、宿泊税の導入について検討を続けてきた経緯があります。千葉市単独で課税する場合は、徴税コストがかなりかかるため、実施するという判断には至らなかった経緯があります。
今回、県が宿泊税を導入する検討を進め、一定の方向性を出されたということです。先日、千葉市としても、県の徴収のシステムに合わせる形で、市の独自課税を行うことができるのか、そしてそれは妥当なのか、また金額を幾らにして、それが必要な観光需要にどう見合うのかについて、有識者を入れてしっかり議論する必要があると考え、有識者の検討委員会を設けました。
また、今回自民党市議団から、県の宿泊税に関する意見書が本日の議会運営委員会で提出されたと承知しています。内容はこれから詳しく見たいと思いますが、県の検討段階で、市としてもさまざまな意見を伝えてきました。例えば、市町村への支援の方法として、交付金か補助金なのか、その金額について。また交付金による場合には、どういった方法で算出した額が市町村に対して交付されるのか、導入の時期などについて、意見および質問をしてきたところで、意見書の中身と重なる部分もあります。県としての考え方の詳細はこれから決まっていくと思いますが、今後も市として、市の観光行政にとってプラスになるような制度設計を求めて、意見はこれからも申し上げていきたいと思っています。
(記者)
基本的には導入する方向で考えているということでしょうか。
(市長)
市としては、有識者の検討会で議論いただき、まず導入自体必要かどうかの判断の材料となる検討をしていただきたいと思っています。通常の税収では十分な施策が打てない、観光関係の需要が満たされないという場合に限って、上乗せの宿泊税というのが許されると私は理解しています。そういう状況にあるのかないのか、しっかり議論いただきたいと思っていますし、必要だという議論があった場合では、どれぐらいの上げ幅がいいのかなどについて、議論いただき、市独自の課税について、市としての宿泊税を導入するかどうか結論を出していきたいと思っています。
(記者)
その検討会議でも話題に上がりましたが、修学旅行者に対する課税や高額宿泊者に対する課税の議論について、お考えを伺えますか。
(市長)
市の宿泊税の検討委員会については、第1回が始まったばかりで、今後、各論についてご意見を伺っていきたいと思っています。修学旅行の課税の是非については、先行して課税されている団体でさまざまな経験や知見があると思いますので、そうしたものを参考にしながら、幅広い角度でご意見をいただいていきたいと思います。
(記者)
宿泊税についてですが、昨日の県議会での知事の発言の中では、市町村や宿泊事業者からはおおむね理解を得られたと発言されていて、一方、自民党の千葉市議団からは、説明が不十分ではないかという話も出ています。千葉市においては、事業者の理解というのは得られているような状況なのか、市長の見解をお願いします。
(市長)
市の宿泊税を導入するということについては、これから市内の宿泊事業者にご意見を伺っていきたいと思っています。県の宿泊税の導入に当たっての検討では、宿泊事業者に対しての説明は時間をかけて行ってきたと説明を受けていて、それはそれとして受け止めています。市独自の宿泊税の課税については、市としての説明責任をしっかり果たしていきたいと思っています。
(記者)
いわゆる年収103万円の壁の件です。国で検討が始まっていますが、市長の受け止めや感想をお聞かせいただけますでしょうか。
(市長)
これから103万円の壁の基礎控除の引き上げについて、詳細な議論が始まっていくと思いますので、指定都市市長会とともに、地方財政、市の財政運営に影響が出ない形で、代替財源を確保していただけるように意見を表明していきたいと思っています。いわゆる年収の壁である、所得税に関する基礎控除の引き上げについては、過去30年間、賃金上昇や物価水準の上昇があったとしても、ほぼ変わらない水準で推移してきて、基礎控除と給与所得控除を合わせて103万円という水準が妥当なのかどうかという議論は、私はあってしかるべきだと考えています。パートで働かれている方の就労調整の要因の一つにもなっていると認識しています。人手不足の中で、基礎控除や103万円の壁の在り方について、しっかり議論することは、あるべきだと思いますし、手取りを増やすということが総選挙において、民意として示されたこともありますので、政治の場でしっかりと議論して結論を出していくことだと考えています。
しかし一方で、住民税も同様に基礎控除が引き上げられると、政令市全体で約8,000億円、千葉市だと約253億円の住民税収の減収が見込まれます。地方交付税で調整されたとしても、約63億円の実質的な歳入減少につながります。現在の市税収入は2,000億円程度ですが、253億円の減収とすると10%以上の一般財源がなくなることから、歳入に大きな穴が空きます。市の単独事業を中心に、また補助事業でも国が全額補助してくれるものではありませんので、一般財源を充てて事業を行っている国の補助事業もかなりあります。相当程度の分野にわたって、財源の確保が困難になる可能性があります。そうならないよう、地方税収として必要な財源の確保を、税や社会保険料などの国民の義務的負担の公平な在り方を議論する中で、代替となる財源を確保していただき、影響がないような調整をしていただきたいと思っています。
(記者)
178万円に引き上げられた場合の減収額が253億円という試算ということでよろしいでしょうか。
(市長)
そのとおりです。
(記者)
市税収入全体で言うと、何%ぐらいでしょうか。
(市長)
10%強です。1割を超えます。
(記者)
兵庫県知事選についてです。失職した前職が当選し、SNSを中心に支持が広がる展開でした。来年、千葉でも選挙が行われますが、この選挙戦の展開はどのような印象を持たれたでしょうか。
(市長)
まず、再当選された斎藤知事に当選のお祝いを申し上げたいと思いますし、立候補された候補者の方には、敬意を表したいと思います。
今回SNSの影響が大きいのではないかという指摘が多々出ていますが、その影響はあったと思います。通常、選挙期間中は選挙の公平性を担保するために、新聞やテレビなどの報道は、論評のようなものはやや抑え気味で、事実をご紹介いただく記事が多いのではないかと思っていて、むしろ、その選挙期間中の報道の今までの在り方が、SNSの影響を大きくしてしまっているのではないかと感じています。特に20~30代の投票行動を見てみると、中高齢層とは違う傾向が出ていたため、SNSの影響というのは一定程度あったと思います。ただ、私も報道でしか分かりませんが、一部の候補者が使っていたアカウントが急に使えなくなるようなことが起き、SNSの影響が大きくなるに連れて、投票行動に大きな影響を与えるような事態も起きていますので、選挙制度の在り方として、どういったものが妥当なのか、今回の選挙を一例にして議論をしていく必要があるのではないかと思います。
(記者)
103万円の壁についてですが、国民民主党の玉木代表が、総務省から各自治体に向けて工作があったというような発言をされていたと思いますが、市長は総務省ご出身かと思いますが、省庁からの工作はあったのでしょうか。
(市長)
工作はないです。まさに政令指定都市の市長会で本当に危機感があり、市長会としてどのようなメッセージを出していくのか、真剣に議論した結果の動きだとご理解いただきたいと思います。ただ、総務省は、地方の財政制度、税制度を所管しているため、その件について我々が問い合わせをするなどの接点はあります。政府としてどう考えているのかという質問や、意見交換は行いますので、それができないのであれば、行き過ぎだと思います。
(記者)
実際にそのような意見交換の場が工作と捉えられたのではないかという解釈ということでよろしいですか。
(市長)
それは工作という言葉を使った方に聞いていただきたいと思いますが、意見交換をすることが工作と言われると、何もできなくなりますので、それは工作ではないと思います。私も総務省を退職してから思いますが、総務省が何か言って、自治体が動くことはもうありません。むしろ、自治体としてどう考えているのか、総務省の担当部署が聞くことはありますが、それを工作と言われると通常業務ができなくなると思います。
(記者)
最近の国内外の選挙について、工作や陰謀、既得権益に立ち向かうヒーローなど、大手メディアが報じない真実のような言説に後押しされた候補者が躍進するという事態が多く見られると思いますが、それについて、市長として今後選挙に臨まれる可能性がある立場として、何かお考えがあれば、お聞かせ願えますでしょうか。
(市長)
可能性がある立場として申し上げたいと思いますが、まず候補者が、自身が抱える政策を許される手法でどう効果的に伝えていくのか、正しく伝えていくのか、データに基づいて伝えていくのか、しっかり考えることが前提にあると思っています。それを捉えて報道等していただけていると思いますが、報道のほうにも時間、紙面など限りがある中で、私たちが考えていることをどう的確に伝えていただけるのかということを含めて、候補者としてしっかり考えていかなければいけないと思います。ぜひ報道の皆様にも、中立的な立場で候補者の主張を詳しくお伝えいただきたいと思っています。
何が陰謀論なのかというのは非常に難しいのですが、有権者の皆様方にも、複数の情報ソースを見比べながら、真に今、社会に必要なことは何なのか、ぜひ見極めをしていただいた上で、投票行動をお願いしたいと思っています。そうした有権者の方々のニーズに候補者としてしっかり応えていく必要があり、今まで以上にそういった対応を迫られているのではないかと考えています。
また既得権者に対する不満というようなご指摘もあったかと思いますが、今回の選挙戦を直接絡めて申し上げるのはなかなか難しいのですが、市役所など行政が支援をお届けする対象として、20代、30代の方、いわゆる子育て世帯はかなり力を入れていますが、単身で働いている方々に対してはその支援が届きにくく、支援制度が子育て世帯と比べて手厚くないということは事実だと思います。就労支援については、20代、30代が対象になっていますが、そういったメッセージがしっかり届いているのかどうかは検証していくべきだと思っています。現在、こども・若者基本条例案をパブコメにかけ、まとめた上で年明けの議会で提出する予定ですが、若者支援を行政としてどういった切り口やジャンルでどの程度行うのかを、しっかり検討していかなければならないと選挙結果を見て感じました。
(記者)
幕張新都心のエリアマネジメントについてお伺いします。令和8年度のエリアマネジメント団体の始動に向けて、団体さんをはじめ、準備をされているところだと思います。現状、道路の占用許可や防災など、さまざまな役割をこの団体が担うことが想定されると思いますが、市としてどういう支援をしていくのか、現状、神谷市長のお考えがありましたら、教えていただけますでしょうか。
(市長)
幕張新都心自体は、もともと県の企業庁が開発管理をして、大体整備が終わったので、一部まちとしての管理を市に移管してきている状況です。行政が全てを管理するというよりも、地域で働き、地域でお住まいになり活動されている方々が構成員となるエリアマネジメント団体が、防災や、さまざまなイベント、それに伴う道路占用もそういったところで効果的になってくると思います。あのエリアをどう盛り上げていくのか、安心安全を担保していくのか、主体的に考えていただくことは極めて重要なことだと思いますし、まちづくりの当事者としての意識を持っていただく上で不可欠だと思っています。
ただ、エリアマネジメント団体も全てボランティアではできませんので、安定的な運営のために、市として財政的な支援も含めてどのようなことを行うべきなのか、検討すべきと思っています。
(記者)
ご説明いただいたとおり、幕張新都心はもともと県がまちづくりをしてきた中で、今は市でさまざまな権限などが移管されている状況かと思います。その中で、例えばその中心的な施設の幕張メッセは依然として県が筆頭株主だと思います。この幕張メッセや県との連携というのが非常に鍵となってくると思うのですが、市長としてのご意見はいかがでしょうか。
(市長)
千葉市は政令指定都市ですので、通常、県が持っている権限も大部分は千葉市が制度的に持っていて、総合的なまちづくりができますが、例えば港湾や公園、幕張新都心もそうですが、県が権限を持って管理しているところもまだあります。幕張新都心については、地権者がほぼ県ですので、幕張メッセの運営、施設整備についても県が主導してこれまで行ってきていて、幕張新都心全体のまちづくりを考えていく際には、県との連携が不可欠です。今回、県市間の連携推進会議においては幕張メッセのことは議題にはなっていませんが、県市間連携推進会議でさまざまな議題について議論する中で、ほかの案件事項についても、県市間の部署間の協議というのは頻繁に、かつこれまで以上に深く行えるようになってきています。幕張新都心の今後の在り方についても、一昨年、将来構想を発表していて、こちらも県に事前協議などを行い、方向性については共有しています。ZOZOマリンスタジアムの在り方の具体化については、いま基本構想策定の委託期間を延長させてもらっていますが、幕張新都心の将来を考える上で、不可欠な事項ですので、それらを含めて、千葉県とは連携を強化して、ともに議論をしながら、成案をつくっていくプロセスを繰り返していきたいと思っています。
(記者)
このエリアマネジメントを担うべく、その団体と活動に対して、市として期待するところを改めてお願いできますでしょうか。
(市長)
現在海浜幕張駅や幕張豊砂駅ではイルミネーションがすでに始まっていますが、これも全て地元の企業の皆さん、また団体の皆さん、また地域で活動しているさまざまな方が協働して行っています。ここ数年、幕張新都心に関係して、地域の団体の皆さんの、地域を盛り上げていきたい、活性化していきたいという機運はかなり高まっているのではないかと考えています。まちづくりに積極的に関わる方々のご意見を伺いながら、今後も幕張新都心の発展を、そこで活動し、そこで働き、住んでいる方々の意向を反映したエリアマネジメント団体というのができることが不可欠だと思っています。市としてはさまざまな方を結びつけるような役割を果たしながら、継続的な運営ができるエリアマネジメント団体の設立に向けて、しっかりと支援をしていきたいと思います。
(職員)
先ほどの103万円の壁の見直しの関係で、253億円の減収が市税の中で占める割合ですが、令和6年度当初予算における市税が2,054億円ですので、約12%に当たります。
(職員)
ほかにございますか。
よろしければ以上で終了します。
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