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更新日:2025年7月22日

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冷却塔を設置した施設の管理者へ適切な維持管理のお願い~レジオネラ症防止対策をとりましょう~

冷却塔とは水の蒸発を利用して水を冷却する装置で、空調用冷却塔として、比較的大型の施設の屋上などに設置されています。
冷却塔は、外部からレジオネラ属菌の汚染を受けやすく、増殖したレジオネラ属菌が周辺に飛散しやすい設備であり、近年、冷却塔に起因するレジオネラ症の集団感染事例が散見されています。

冷却塔を設置する方は、冷却塔を適切に管理し、レジオネラ症防止対策をとりましょう。

レジオネラ症とは

レジオネラ症は、レジオネラ・ニューモフィラを代表とするレジオネラ属菌による細菌感染症です。主な病型として、重症の肺炎を引き起こす「レジオネラ肺炎」と、一過性で自然に改善する「ポンティアック熱」が知られています。

厚生労働省「レジオネラ症」(外部サイトへリンク)(別ウインドウで開く)のページ

レジオネラ属菌とは

レジオネラ属菌は、自然界の土壌や河川に広く生息している細菌ですが、36℃前後の水が停滞または循環する人口環境水の中ではレジオネラ属菌が高率に検出されています。
レジオネラ属菌は、バイオフィルム(生物膜)に生息する微生物の細胞内が温床となり、増殖します。バイオフィルムは、冷却塔の水槽や充てん剤の表面、配管系の内部、浴槽の内壁及び循環ろ過装置の内部などに形成されやすく、これまでに冷却塔水、温泉、噴水、加湿器、循環式浴槽などを感染源とするレジオネラ症が多数報告されています。

冷却塔について

冷却塔とは水の蒸発を利用して水を冷却する装置です。空調用冷却塔は、主として冷凍機の凝縮熱を大気に放出するための装置として利用され、ビルや病院、ショッピングセンターなどの比較的大型の施設の屋上などに設置されています。
一般的な空調用冷却塔は、内部構造により開放型と密閉型に分類されます。

レジオネラ症が冷却塔を起因として感染する理由

  • 冷却水におけるレジオネラ属菌の増殖
    冷却水の温度は5~9月にかけて、レジオネラ属菌増殖の最適温度である36℃前後となります。
    また、冷却塔の壁面には藻類や原生動物、各種細菌がバイオフィルムを形成しやすく、大気中の土ぼこりとともに冷却水中に入りやすい構造となっています。
  • 冷却水の飛散
    循環する冷却水の一部が飛沫となって飛散します。
    レジオネラ属菌はエアロゾルに含まれ空気中に散布され、周囲に飛散することになります。

冷却塔の維持管理

特定建築物の維持管理権原者(特定建築物の所有者、占有者その他の者で当該特定建築物の維持管理について権原を有する者)は、建築物衛生法に規定される「建築物環境衛生管理基準」(外部サイトへリンク)(別ウインドウで開く)に従って当該特定建築物の維持管理をしなければなりません。
また、千葉市内の特定建築物の維持管理権原者は「千葉市特定建築物維持管理指導要綱」に基づき、維持管理をしてください。
冷却塔に関する基準は、以下の表のとおりです。
特定建築物に該当しない建築物の維持管理についても参考にしてください。

項目
措置内容
措置回数
冷却塔及び加湿装置に供給する水

水道法第4条に規定する水質基準に適合させるための措置
(原則として水道水を利用するものとする。)

冷却塔、冷却水 汚れの状況の点検
※必要に応じて清掃及び換水等を行う。
使用開始時及び使用期間中1ヶ月以内ごとに1回
(1ヶ月を超える期間使用しない場合を除く)
冷却塔、冷却水の水管の清掃 1年以内ごとに1回
レジオネラ属菌の検査 使用開始後、7日以内に1回及び使用中に1回以上
(1ヶ月を超える期間使用しない場合を除く)
この他、化学洗浄や殺菌剤処理を併用すると、より効果的にレジオネラ属菌を抑制することができます。

(第5版レジオネラ症防止指針(公益財団法人日本建築衛生管理教育センター令和6年9月改版)より)

  • 化学洗浄
    冷却塔の使用開始時及び使用終了時に行います。
    過酸化水素、有機系殺菌剤、塩素剤などを循環させます。
  • 冷却水の殺菌剤処理
    冷却塔使用期間中は殺菌剤(各種有機化合物や塩素剤など)の継続的な添加を併用すると、より効果的にレジオネラ属菌を抑制することができます。

冷却塔及び冷却水に関するより具体的な維持管理方法については、第5版レジオネラ症防止指針や、厚生労働省による「建築物における維持管理マニュアル」(外部サイトへリンク)(別ウインドウで開く)をご参照ください。

特に注意の必要な冷却塔

冷却水の飛沫を高齢者や乳児、細胞性免疫不全の人(臓器移植後の人、白血球減少患者、免疫不全患者など)が吸引する恐れがある場合や、冷却塔の型式が開放型の中でも丸形の場合は特に注意が必要です。

参考資料

以下に、国立健康危機管理研究機構(組織統合前:国立感染症研究所)や、厚生労働省のホームページで公開されている資料をご紹介します。
冷却塔を設置した建築物の施設管理の参考としてください。

  1. 花烏賊広人,病院の冷却塔に起因したレジオネラ症集団感染事例について,
    2024,病原微生物検出情報(IASR),45,112-114.(外部サイトへリンク)(別ウインドウで開く)
  2. 小林慶吾ら,冷却塔からの曝露が示唆されたレジオネラ症集積事例を経験して(第1報)~疫学調査と施設対応について~,
    2024,病原微生物検出情報(IASR),45,114-116.(外部サイトへリンク)(別ウインドウで開く)
  3. 泉山信司,令和6年度生活衛生関係技術担当者研修会資料5「公衆浴場等におけるレジオネラ対策について」(外部サイトへリンク)(別ウインドウで開く)
  4. 第5版レジオネラ症防止指針(公益財団法人日本建築衛生管理教育センター令和6年9月改版)
    (参考資料)
    舘田一博,令和6年度生活衛生関係技術担当者研修会資料6「第5版レジオネラ症防止指針について」(外部サイトへリンク)(別ウインドウで開く)

【問い合わせ先】

  • 医療衛生部生活衛生課環境衛生班
    043-245-5214
  • 保健所環境衛生課施設指導班
    043-238-9940

 

 

このページの情報発信元

保健福祉局医療衛生部生活衛生課

千葉市中央区千葉港1番1号 千葉市役所9階

ファックス:043-245-5556

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保健福祉局医療衛生部保健所環境衛生課

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ファックス:043-238-9945

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