緊急情報
更新日:2024年5月30日
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2021年度の千葉市沿岸の海水と砂浜中のマイクロプラスチック調査に続き、2回目のマイクロプラスチック調査を市内河川において実施しました。
調査時期 2023年7月~10月
調査地点 都川、支川都川、花見川、鹿島川の各2地点、計8地点
写真1 MPs (マイクロプラスチック)採取風景及びイメージ 鹿島川 (左)花見川(右) 試料瓶(右下)
千葉市河川におけるマイクロプラスチック調査結果を図1に示します。8地点で0.3㎜以上から5㎜のマイクロプラスチックが、1立方メートルあたり2.1個~8.8個見つかりました。
図1 千葉市河川のマイクロプラスチック濃度
全国70河川・90地点における環境省の調査によると、調査地点におけるマイクロプラスチック濃度の平均値は1立方メートルあたり4.34個であり、今回調査した8地点のうち6地点で平均を上回りましたが、都市部の近隣自治体における河川調査の結果とは近い濃度となっています。
写真2は今回確認されたマイクロプラスチックの一例です。千葉市の河川からは、破砕されたプラスチック片が多く確認されました。2021年度に実施した海水と砂浜の調査では、砂浜でレジンペレットが、海で繊維状のマイクロプラスチックが数多く検出されましたが、河川では形の異なるマイクロプラスチックが見つかりました。また、河川のマイクロプラスチックの大きさは0.28㎜~4.7㎜で、お米の粒よりも小さいものが多いことがわかりました。また、色も様々なものが見つかりました。
プラスチックの種類も複数検出されました。例として写真3に示します。PPPEはポリプロピレンとポリエチレンの混合物、PVALはポリビニルアルコール、PEはポリエチレン、LLDPEは低密度ポリエチレン、EVAはエチレンビニルアセテートです。
写真2 採取されたマイクロプラスチック 花見川(左)と鹿島川(右)
写真3 花見川で採取されたマイクロプラスチック写真(左)とそのポリマー(右)
図2 千葉市河川におけるマイクロプラスチックポリマー構成
調査河川全体でみると、ポリエチレンやポリプロピレンを含むプラスチックが高い割合で見つかりました。ポリエチレンは生産量が一番多いプラスチックであり、人々の生活に密着して利用されていると考えられます。ポリプロピレンは二番目に生産量が多いプラスチックで電子レンジで加熱できるお弁当の容器等にも使われています。
今回の調査で多く検出されたポリエチレン、ポリプロピレンは汎用プラスチックと呼ばれ、私たちの日常生活でも多く使われています。一度きりの使用で廃棄してしまうようなプラスチック製品の使用を控え、千葉市の廃棄物のルールに従ってきちんと分別することで、プラスチック汚染が減り、ひいてはマイクロプラスチックの減少にもつながります。G20大阪サミットにおいて「2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染ゼロ」を目指す「大阪ブルーオーシャンビジョン」が共有されました。この実現のために一人一人の意識が必要とされています。
レジンペレットは2~6㎜のプラスチックの丸い粒です。マイクロプラスチック片の一種ではありますが、環境中で微細化した破片ではなく、プラスチック製品の「もと」となるもので、化学工場で、リサイクル品として、または原料の石油から新しく、プラスチックの「もと」として作られています。東京農工大学の高田先生の調査結果では、輸送や加工の途中でレジンペレットが落ちてしまい、自然環境中に紛れてしまうことが明らかになっています(水資源環境研究2018)。今回の河川調査では、幸いにもレジンペレットは見つかりませんでしたが、2021年度の砂浜の調査では多数のレジンペレットが見つかりました。
日本プラスチック工業連盟は2021年に、レジンペレットを取り扱う業者へ向けて、レジンペレットを環境に漏洩させないための注意喚起のリーフレットを発行しました(https://www.jpif.gr.jp/environment/ocean/resin-pellets/doc/leaflet_2021.pdf(外部サイトへリンク)(別ウインドウで開く))。しかし、すでに環境中に混ざってしまったペレットはそのまま残り続けます。海岸に落ちているペレットを見つけたら、クリーン活動として拾い、ごみとして廃棄するようお願いします。
写真4 幕張の砂浜に落ちていたレジンペレット(左)とレジンペレット拡大写真(右)
このページの情報発信元
環境局資源循環部廃棄物対策課
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ファックス:043-245-5624
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