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更新日:2025年5月27日

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校長室

自分の気持ちの折り合いをつける方法

学校長

令和7年度がスタートして、三か月目に入ろうとしています。4月の入学直後や進級直後と比べると、いろいろなことにちょっと慣れてきた頃です。一般的に、事件や事故が増える「注意を要する時期」でもあります。お子さんたちは、日々の生活の中で、思い通りにならないことにたくさん出会います。勉強のこと、遊びのこと、友だち関係のことなど、むしろ、世の中、思い通りにならないことのほうが多いのは、子どもも大人も同じです。そんなときに、変えられない現状の中で、どのように自分の気持ちに折り合いをつけていくかという方法を学ぶことは、生きていくうえではとても大切なスキルだと感じています。この折り合いをつけるためのスキルを身に付けるためには、たくさんの人と出会い、いろいろな体験をすることが必要不可欠です。遊びの中で周囲の状況を見ながら自分の気持ちをコントロールすることや、一度やると決めたことを途中で投げ出さずに最後までやりとげることなど、一つ一つの体験を通して、私たちは「目標にむけて努力する力」や「我慢する心」「他人に感謝すること」など、とても大切な「生きる力」を身に付けていきます。思い通りにならないことを乗り越えながら、日々、私たちは成長します。そう考えると、年相応に思い通りにならない壁にぶつかることも、お子さんの成長には欠かせないものだと考えることができます。

「三日三月三年(みっかみつきさんねん)」という言葉があります。修行僧の心構えを表現した言葉だという説もありますが、「三日我慢すれば三か月は耐えられる。三か月耐えられれば三年は頑張ることができる。」という意味の慣用句です。「時間をかけて、自分自身で周囲の状況との折り合いのつけ方を学び、充実した日々を過ごすスキルを身に付ける。」と言い換えることができるのではないかと私は思います。

新学期のスタートから三か月を迎えようとしている6月。ご家庭でも、ぜひ、お子さんの小さな変化に注意していただきたいと思います。張り切っていた気持ちが何かで躓いて気持ちが沈んでしまったり、今の生活に慣れてきたために自分勝手なルールや思い込みで行動してみたりすることがあるかもしれません。あってはならないことですが、心ない言葉や行動で誰かを傷つけてしまうこともあるかもしれません。子どもを信じることはもちろん大切なことですが、もしも、子どもが間違っている方向に進んでいこうとしたら、それを正すのは大人の責任だと私は思います。子どものことを一番近くで見ている大人が、子どものよいところを認めつつ、時機をとらえて、子どもに適切なアドバイスをしていくことも、子どもの成長には、これまた、必要不可欠なことです。

今年も厳しい暑さがやってくるようです。暑さに負けず、子どもたちを見守り、そして、適切な時機に適切なアドバイスができるよう、私自身も、変えられない現状の中で、どのように自分の気持ちに折り合いをつけていくかという方法を日々考え実践し、新学期スタートからの三か月目を過ごしていきたいと思っています。